思い切った運用見直しで、今こそテレワーク移行を進めるべき
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3密の典型と言えるコールセンターだが、テレワーク移行は簡単ではない
2020年春の緊急事態宣言発出では、従業員の命を守るため、多くの企業がオフィスへの出社を禁止・制限した。コールセンターについても例外ではなく、業務自体を停止するケースも目立った。そもそもコールセンターの職場は、いわゆる“3密”の要素がすべて揃うハイリスク環境であり、実際にコールセンターでのクラスター発生事例が複数報告された。だが、緊急事態宣言解除後は、営業時間を短縮したり、席数を減らしてソーシャルディスタンスを確保するなどの対策をとりつつ、コールセンター業務を再開した企業が多く、解除後もテレワークを継続しているケースが多い一般業務とは対照的だ。そして、コールセンター業務のテレワーク移行が容易ではないことがうかがえる。
近い将来、部分的にせよ、1/3程度でテレワークを導入する可能性も
コロナ禍をきっかけに、コールセンター業務についてもテレワーク移行に踏み切る企業は着実に増えている。一般社団法人日本コールセンター協会が、会員企業50社を対象に「在宅テレコミュニケーターの採用予定」を聞いたアンケート調査※によれば、「既に採用」の回答が、2018年(3.8%)、2019年(5.6%)に対し、2020年(28%)と急増。「予定あり」についても、2018年(5.7%)、2019年(13.0%)、2020年(16.0%)と増え続けている。一方で「予定なし」の回答は、2018年(84.9%)、2019年(70.4%)から、2020年(38%)へと急減。テレワークに全面移行してセンター廃止に至った企業は、まだまだ少ないと思われるが、「予定あり」の回答まで含めると、部分的にせよ、近い将来テレワークを導入する企業は、1/3程度に達する可能性がある。
※一般社団法人日本コールセンター協会「2020年度 コールセンター企業 実態調査」(調査期間:2020年6月19日~9月4日)
コールセンターのテレワーク移行を阻む最大の要因とは
上記調査では、「採用予定がない理由」についても聞いており、セキュリティ上の問題(30%)、労務管理上の問題(16%)、品質管理上の問題(16%)、現場マネジメントが困難(12%)といった理由が上位を占めている。セキュリティの問題については、自宅の端末とコールセンターシステムをVPNでつないだり、コールセンターの端末をリモートデスクトップで操作するなどしてクリアすることができるが、それ以外の問題の方が意外にやっかいだ。オペレータにとっては、自宅で1人きりでおこなうことになり、困った時にすぐ側に助けを求めることができず、ますますストレスが高くなる。さらに、うまく対応できず二次クレームになってしまうと、顧客満足低下につながり企業としてもダメージが大きい。
今こそ、ニューノーマルのコールセンター運用を考えるべき
既存のコールセンター業務をそのままテレワークに移行するのは、オペレータへの心理的負荷があまりに大きく、現実的ではない。では、テレワーク移行をどう進めればよいか。サービス品質低下の懸念はあるが運用を見直すのが近道だ。マルチチャネル化で電話の割合を下げたうえで、コールセンター対応は電話での問合せのみとし、電話以外のメールやチャットでの問い合わせはテレワークで対応するというのもひとつの手だ。呼量を減らすことで少人数のスタッフで対応できるようになり、ソーシャルディスタンスの確保にも有効だ。さらに思い切って、入電についてはすべて折り返し対応に変更して、録音されたメッセージを聞いた上で、クレームに近い内容についてはコールセンターから、その可能性が少ない簡単な問い合わせについてはテレワークのオペレータから折り返すといった振り分けも考えられる。最適なスキルをもつオペレータが、しっかり準備をした上で、折り返し電話をすることにより、テレワーク対応によるサービス品質低下を回避でき、結果的に二次クレーム化のリスクを低減する。かつて経験したことのない非常事態に直面している今こそ、大胆に運用を見直して、テレワーク導入を含めコールセンターの“ニューノーマル”を模索すべき時だ。
実績・ノウハウともに豊富な富士電機ITソリューションに、ご相談を
テレワーク導入においては、CTIやCRM連携はもちろん、コールセンターとオペレータ宅をつなぐセキュアなネットワークなどの仕組みのほか、いかにして在宅オペレータの精神的負荷を少なくするか?といった運用面も含め、様々な側面から検討する必要がある。コールセンター向けCRMパッケージ「CSStream」を提供する富士電機ITソリューションは、コールセンターシステムのクラウド移行を含め、多様なニーズに対応してきた豊富な実績とノウハウを誇る。商品情報・組織情報など基幹システム連携を中心に、CTI/メール連携、AI連携など豊富な連携オプションでスムーズな問い合わせ対応を実現し、コールセンター運営の負担軽減と顧客満足の向上に貢献する。コロナ禍をきっかけに、コールセンター業務のテレワーク移行をはかりたいという企業におすすめだ。
最後に、「CSStream」の豊富な機能の中から、1人で対応するオペレータの不安を軽減する機能や、業務の効率化を支援する連携機能の数々をまとめて紹介する。
CSStreamの主要機能
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CTI連携
着信番号通知やデジタル通話録音機能により案件情報を迅速かつ正確に入力。対応依頼(ワークフロー)につなげます。
搭載種別:オプション
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標準FAQ
回答内容の平準化と、回答例検索や回答例から案件作成による受付業務効率化を実現。Excelデータの一括登録も可能。
搭載種別:標準
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類似案件検索
過去の履歴や対応中の案件を検索して内容や対応方法を参照することができ、対応の平準化と重複入力の回避を実現。
搭載種別:標準
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メール連携
電話だけでなく、問い合わせフォームやメールでの問い合わせにも対応。メールを案件に紐づけて一元管理できます。
搭載種別:オプション
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AI FAQ
標準提供のFAQに加え、リアルタイム検索やカテゴリ検索、最新トピックなど多彩な検索が可能なAI FAQもご用意。
搭載種別:オプション
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重大化案件自動検知
予め設定したルールに従い重大インシデント発生の予兆をとらえ、危機管理部門などにアラームメールを自動送信。
搭載種別:標準
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案件滞留防止
担当者を指定する定型ワークフローにおいて、組織単位での対応依頼により、担当者不在による案件滞留を防止します。
搭載種別:標準
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進捗状況一覧/
アラームメール依頼案件の進捗状況を一覧表示。しきい値を設定して滞留発生のアラームメールを担当者に自動送信することも可能。
搭載種別:標準
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自動過去受付検索
案件作成で受付情報を入力する間に、過去の履歴や対応中の案件を自動で検索してくれ、作業効率向上を支援します。
搭載種別:標準
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情報集約/対応依頼
メールの自動化オペレーターから営業担当や調査部門に対応依頼メールを自動送信。担当案件一覧のトップページ表示で責任を明確化。
搭載種別:標準
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フリーワード検索
問い合わせ内容や対応情報の検索・抽出が簡単にでき、商品企画部門や品質保証部門などでの情報活用を促進します。
搭載種別:標準
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基幹連携
DWH上にある最新の商品情報や人事情報などのデータベースと連携することで、定期的なデータ更新作業が不要に。
搭載種別:オプション
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販売店検索
地図サービス連携により、販売店情報をお客様自身で登録・表示。問い合わせ対応の品質や効率が向上。
搭載種別:オプション
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音声テキスト化
録音した音声ファイルをテキストデータ化。オペレーターの入力負荷を軽減しつつ、お客様の“生の声”を忠実に記録。
搭載種別:オプション