COLUMN コールセンターお役立ちコラム

VOCの全社活用に適したコールセンターシステムとは

コールセンター業務について、人手不足などを理由にアウトソースする企業がある一方で、逆にアウトソースから内製化に踏み切るなど、コールセンターシステムに投資をして強化をはかる企業も増えている。こうした企業でキーワードとなっているのが“VOC活用”だ。社内コールセンターを強化してVOCの全社規模での活用を進める上で、コールセンターシステムにはどのような要件が求められるのか。

生成AIの登場でVOC活用に新たな可能性

ローコード、ノーコード開発ツールの普及によって、それまでSIerに頼っていた開発業務を社内に戻す、いわゆる“内製化”の動きが加速している。ノウハウやスキルの空洞化を防ぎ、SIerの事情に左右されず開発スピードを上げることで、顧客満足につなげる狙いがある。さらに最近は、生成AIを中心とするAI技術が急速に進化、開発だけではなく、様々な領域で人による業務を置き換え、新たな可能性をもたらしている。
冒頭で触れたコールセンターの内製化についても、AI技術の進化・高度化が大きく関係していることは間違いない。AIを活用して業務の自動化・効率化を進めることで、スタッフの業務負担が低減され内製化のハードルが下がる。コールセンターの内製化は顧客満足の向上につながると同時に、他部門との連携が容易になり、全社でVOCを活用できるようになるという訳だ。
下記では、数席~数十席規模でコールセンターを運用する企業を念頭に、VOC全社活用を目指す上でコールセンターシステムに求める機能や要件などについて見ていく。

コールセンターシステムとは(主な機能)

主に顧客からの問い合わせなどに対応するコールセンターだが、単に電話で会話して記録するだけではなく、情報(VOC)を社内の様々な部門と共有して業務や製品・サービスの改善に役立てる、クレームなど顧客の課題を解決する、といった役割がある。例えば、製品に関するクレームの問い合わせが入ると、調査部門に調査を依頼して原因を特定。製造部門と共有して対策を講じたうえで問い合わせのあった顧客に連絡をする。内容によっては広報部門からリリースを出して、市場に出ている製品を回収するといった業務が想定される。そして、こうした一連の業務全体を支える仕組みのことをコールセンターシステムと呼び、下記に示す様々な仕組み(機能)で構成されている。

PBX(Private Branch eXchange)

コールセンターで利用する複数の電話回線を集約し、内線同士もしくは外線と内線の接続の制御を行う電話交換機(主装置)。インターネット回線を利用したIP-PBXのほか、最近では電話交換機能をクラウドで提供するクラウドPBXも登場している。

ACD(Automatic Call Distribution)

あらかじめ設定した条件に従い、入電を自動で振り分けるシステム(着信呼自動分配装置)。受電数や待機時間、スキルなど、様々な条件を設定して、最適な部門・担当者に誘導する。

IVR(自動音声応答システム)

入電に対し、電話機のボタン入力で用件を選ばせ、あらかじめ設定した音声を流す自動音声応答システム。対応の自動化によりオペレーターの負担軽減を実現する。

CTI(Computer Telephony Integration)

コンピュータと電話を連携させる技術・システム。CTI連携により、着信電話番号を元に、PC画面に顧客情報を表示し、画面操作で発信することができ、電話対応の効率化を実現する。

CRM(顧客関係管理システム)

顧客情報や営業履歴の管理・蓄積を行うシステム。電話での対応履歴を管理するコールセンター専用のCRMを“コールセンターCRM”として区別することもある。対応履歴が専用DBに蓄積され、再度の入電に対し、継続性のある最適な対応を実現。顧客満足の向上に貢献する。

チャットボット

テキストベースのチャット形式で、顧客からの問い合わせにロボットが回答する仕組み。24時間365日、自動対応できるのが最大のメリット。チャットボットが解決できない問い合わせ内容についてのみ、オペレーターが巻き取り対応することで負担軽減につながる。

FAQ(Frequently Asked Questions)システム

よくある質問と、それに対する回答で構成されたナレッジデータベースのシステム。顧客が問い合わせをする前に、これを見て課題や疑問を自己解決することで、コールセンターへの入電を減らすことができる。対応品質を向上させるために、オペレーターがFAQを参照しながら対応するといった使い方もある。

通話録音機能

通話内容を音声データで記録できる機能。最近問題となっているカスタマーハラスメント対応のエビデンス確保手段として、クレーム対応の多いコールセンターにとって必須の機能と言える。


上記のうち、AIの恩恵を大きく受けているのが後半の3機能だ。特に生成AIの急速な進化により、チャットボットにおける回答の品質が劇的に向上。FAQについても、人の作業を減らして効率的に拡充できるように。また、音声認識AIを利用することで、通話の録音データを高い精度でテキストデータ化でき、VOC活用に欠かせないデータの確保が容易になった。

クラウドorオンプレミスどちらを選べばよいか

現在、コールセンターシステムで検索すると、クラウド型(SaaS)のコールセンターに関する情報が上位を占めるとおり、コールセンターシステムにおいてもクラウド化が進んでいる。初期コストを抑えて導入できるクラウド型コールセンターシステム(SaaS製品)だが、全社でVOC活用を行い、DXを進めるのであれば、オンプレミスでの運用パッケージ製品は有力な選択肢となる。その理由は2つある。

理由① 独自のワークフローにカスタマイズで対応できる

VOCを積極的に活用しようとすると、複数の部門が連携して複雑なワークフローを回すケースが多くなるが、一般的にSaaS製品は企業特有の業務フローに合わせるためのカスタマイズが難しい。システムに合わせて業務を変更する、該当業務のみアナログ作業で対応するといった選択肢があるが、いずれの場合も運用現場はストレスを抱えることになる。この点、パッケージ製品であればカスタマイズや外部連携にも柔軟に対応でき、長年親しんできた業務ワークフローを変えずにVOC活用を進めることができる。

理由② コスト増を招かずユーザ拡大に対応できる

様々な部門と連携してVOCを活用しようとすればするほど、コールセンターシステムのユーザ規模も拡大する。SaaS製品の場合、ライセンス形態にもよるが、コストが膨れ上がる可能性がある。しかし、サーバライセンスのみのパッケージ製品であれば、どれだけユーザ規模が拡大してもコストは変わらずこうした心配も無用だ。

コールセンターCRM「CSStream」でVOC全社活用を

最後に、VOCの全社活用を目指す企業にお勧めのシステムとして、富士電機ITソリューションのコールセンターCRM「CSStream」を紹介する。高いカスタマイズ性を有するパッケージ製品で、20年以上の実績と10万人以上のユーザ数を誇る。参照クライアントはフリーライセンスでコスト増大の心配なくユーザ規模を拡張できる。定期的にサーバの更新が必要なオンプレミスは避けたいという企業の場合は、パブリッククラウド上に構築して長期にわたり安定運用することもできる。サポートや相談体制の充実ぶりも強みで、コールセンター業務を熟知した専任の営業担当(アカウント担当)が、お客様を訪問して、現状の課題やVOC活用に関する中長期のビジョンなどをヒアリング。提案・構築から、運用支援・改善提案に至るまで併走し続ける。

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